インヴェンションってどういう意味?

インヴェンションとシンフォニアの初稿は、J.S.バッハの長男のために作られた、 『ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集』に掲載されています。名前も異なり、『プレアンブルム(Praeambulum)*』と『ファンタジア(Fantasia)*』とされています。 (1720年1月22日に着手)                        

その後、J.S.バッハ本人により修正や変更など手が更に加わり、タイトルも『イン ヴェンション』と『シンフォニア』に改定されました。 

J.S.バッハ自身はその最初のページに、こう書いています。 


"これは、チェンバロ愛好演奏家、特に学習意欲が盛んな人々に、(1) 2声を正しく演奏することのみを学ぶのでなく、さらに上をいき、(2) 徐々に上達することで、3声部の”オブリガート(助奏)”パートのアプローチを正しく明確に行い演奏し、カンタービレ(歌う)奏法を身につけさせること、それに加え、作曲の面白さ に気づかせるのに非常に有効な手引きである。著作者Johann Sebastian Bach, アンハルト=ケーテン候宮廷楽長"


*プレアンブルムはプレリュードと近い意味の言葉で、前奏曲的意味を持ちます。 

*この『ファンタジア』は”幻想”の意味でなく、耳に残る個性的で素敵な (fantasticな)モチーフをふんだんに使ったInvention、自由なスタイルの対位法 の曲、という定義で16~17世紀に使われていました。